世界のウイスキー

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。

テイスティング

Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。


オクトモア 06.3 アイラバーリー    64.0%

  • 蒸溜所名: ブルイックラディ蒸溜所
  • 地域: アイラ
  • ブランド: ブルイックラディ
  • 価格帯: 121-180
  • 入手可能場所: 全世界

クリス・グッドラムSCORE9.1

香り
ビールのような厚みと重量感のあるモルトのアロマ、コーヒー、ダークチョコレート、ハードキャンディ、ライのようなハーブ風味。まだ若く、かなりアルコールの匂いが強いかもしれないが、スピリッツのアロマではない。ピートといえば、タールや魚のような匂いがあってオイリーで、濃厚な中にも粘着性を持っている。加水するとより若々しく、ハーブ香が強調される。
強烈で、アルコールが強く、モルト風味を感じる。牛肉エキス、ハーブ、タール、そしてにじみ出るような原初的なピートの厚切りをイメージさせる要素も。加水すると大麦の甘味が引き出され、土や麦わらのようなグラッパ風味もあるが、モルトとピートの風味は依然としてとても強い。
フィニッシュ
涙が出るほどアルコールが強い。しかしモルト、煤けたピート、オイリーな磯の香りが糊のように口の中に貼り付き、消え失せるまでに何分もかかるのが驚き。
コメント
ジョージ・T・スタッグにピート香を施したら、ちょうどこんな感じになるのではないか。スコッチウイスキーでこんな味のウイスキーは他にない。ピート香が嫌いな人は、グラスに近寄らないほうがいい。

ジョエル・ハリスンSCORE8.0

香り
香りを開かせるには、少々の水が必要。加水すると盛大なスモーク、幾分のオーク香、伐りたての松材などの香りが立つが、それ以外の匂いはあまりない。
壮大なピートのスモークが、背後にあるプルドポークやコーヒーなどの控えめな風味を封じ込めている。このウイスキーで、スモークを凌駕する風味を出すのは難しい。
フィニッシュ
ピートのスモークについてはすでに述べたとおり。
コメント
飛行機はアイラ島の空港に着陸しようとしている。だがピートのスモークで分厚い霧ができ、なかなか陸地が見えない。スモークは主成分ではなく、諸成分のひとつであるのが理想だとわかる。